シリーズ糖尿病

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    糖尿病による死亡率、ワーストは青森県 〜千葉県は何位?〜(シリーズ「糖尿病」㊷)2019年9月27日(金)行徳新聞

    厚生労働省の発表によると、人口10万人あたりの糖尿病による死亡率(2018年)が47都道府県中最も高かったのは青森県(20.2人)で、何と4年連続でワーストでした(それまでは徳島県)。最も低かったのは神奈川県(7.8人)で、愛知県、東京都と続きます。千葉県は良い方から16位ですが、10万人当りの死亡率11.6人とほぼ全国平均(11.4人)並みでした。

    青森県は、糖尿病の合併症でもある脳卒中や心筋梗塞による死亡が多く、その原因として、食塩摂取量の多さ、多量飲酒者の多さ、喫煙率の高さがあるとされ、雪国ゆえの運動不足による肥満、検診受診率の低さ等も指摘されています。全国と比べても糖尿病の病状が進行し合併症を発症している方の割合も多いようです。

    同じくワースト3に入る徳島県、香川県は、うどんをはじめ糖質(炭水化物)摂取量が多いこと、車が必須でコンビニにも車で行く等深刻な運動不足が原因かもしれません。

    糖尿病知識の啓蒙、普及がなされ、まずは予防に努め、指摘されたら放置しない、必要であれば定期的に通院し、合併症発症をまず予防し、発症しても進行させないことが、ひいては糖尿病による死亡率を下げることにつながります。

     

     

    2019.09.30

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    待ったなし!糖尿病合併症について  〜しめじ? えのき?〜(シリーズ「糖尿病」㊶)2019年7月26日(金)行徳新聞

    糖尿病の合併症、「しめじ・えのき」と覚えましょう。「しめじ」は、し:神経障害、め:眼(網膜症);じ:腎臓(腎症)でいわゆる3大合併症を、また「えのき」は、え:壊疽、の:脳梗塞、き:狭心症・心筋梗塞を表し、動脈硬化の結果起きうる重大な合併症になります。

    糖尿病治療で一番大事なことは合併症を起こさないこと、もしくは既にある合併症をそれ以上進行させないことです。そのためには、HbA1cは7%未満に下げるべきであるし、またLDLコレステロールを120 mg/dL以下、血圧は130/80 mmHg以下に維持すべきです。

    もし、これらデータが悪ければ薬を使ってでも下げるべきです。要はデータ次第、データが悪いまま続けば、いずれは合併症で後悔する可能性が高くなります。そのためには、薬も必要。薬を使わなくてもデータが良ければそれでいいし、データが良くなれば薬をやめることも出来る。薬開始を躊躇しているうちに数ヶ月〜数年の歳月が経過してしまい、いつの間にか合併症が進んでしまうかもしれません。

    薬を使うか、使わないかが問題ではありません。要はデータを良くすること。合併症を起こさないとされる基準値まで下げ、それを維持していくことが最も大事なのです。

     

     

    2019.07.27

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    食事療法について 〜体重コントロールがまず大事〜(シリーズ「糖尿病」㊵)2019年5月24日(金)行徳新聞

    体重増加で糖尿病は悪化しやすい。体重を落とすには、まず食事の総カロリーを減らすことが必要です。食事の栄養素は大きく、炭水化物(糖質)、蛋白質、脂質(あぶら)に分けられ、それぞれの摂取バランスと健康との関連が議論されています。

    糖質制限は、糖質(炭水化物)だけに着目して制限すれば良いので分かりやすく、実行しやすい。糖質摂取量を減らすことで食後の血糖は上がりにくく食後のインスリン分泌が減るので体重が落ちやすく短時間で効果を実感しやすい。ただ初期には効果が顕著でも、長期間維持するのは難しく徐々に効果が薄れることも多い。

    BMI(体格指数)=22が標準体重ですが、必ずしもそこを目指す必要はありません。肥満の方は、まず現体重の−5%減量で血糖や代謝はかなり改善します。

    糖質制限を推奨する時にタンパク質、脂質はいくら食べても良いという論調もありますが果たしてどうでしょうか。腎臓病になると蛋白質摂取を制限しますが、蛋白摂取が多いと腎機能が悪くなるというデータは無さそうです。ただ動物性蛋白の摂取が多いと動脈硬化による死亡や糖尿病発症を増やすという報告もあり、現時点においては蛋白摂取量は総カロリーの20%以下が良さそうです。

    脂質は中身次第だと思います。肉は飽和脂肪酸を含みやすく動脈硬化につながるので脂身は避けたい。魚、なかでも光り物はオメガ3系不飽和脂肪酸を多く含み健康にも良い。オリーブオイルも一般的に良いとされますが、カロリーは高いので摂りすぎれば太ります。

     

     

     

    2019.06.12

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    糖尿病の運動療法 〜レジスタンス運動の併用も効果的〜(シリーズ「糖尿病」㊴)2019年3月22日(金)行徳新聞

    糖尿病では食事療法とともに運動療法が有効です。以前よりウォーキング、ジョギング、サイクリングのような(10分以上筋肉を動かす)「有酸素運動」が勧められ、代謝改善によりインスリンの効きが良くなり血糖が下げるだけでなく、血圧、脂質改善の効果もあります。運動による糖代謝の改善効果は半日〜3日持続しますので、少なくとも週に3〜5日、(ややきついと感じる)中等度の有酸素運動を20〜60分間(週150分以上)行うことが理想とされますが、少なくても大丈夫。しないよりはまし、細切れウォーキングでも効果はあります。

    週に2〜3回「レジスタンス運動」を併用するとより効果的です。これは筋肉に負荷を与える運動で、自体重、チューブ、ダンベル、マシンを使うことで筋力と筋持久力を高め、同様に血糖を改善することが分かって来ました。

    以上は比較的元気で身体機能に問題の無い方にお勧め出来ますが、一人ひとり状況は違いましょう。膝に問題のある方などでも水中歩行なら出来るかもしれません。しかし、心臓に問題のある方、眼や腎臓に合併症のある方では運動が好ましくないケースもありますので、まず主治医とご相談ください。

    まず、出来ることから始める。なるべく階段を使う、ある程度短い距離なら歩いてみる、通勤で一駅歩くことから始めてみましょう。

    2019.04.10

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    なぜ、治療が必要か?(シリーズ「糖尿病」㊳)2019年1月25日(金)行徳新聞

    高い血糖はなぜ下げなければいけないか? 高血糖があっても症状がないことも少なくありません。しかし、食後の血糖が一過性に140mg/dLを超える程度の「血糖値スパイク」であっても、その反復により血管が傷つけられ動脈硬化や認知症、がんの原因になることが分かって来ました。さらに血糖が繰り返し200mg/dLを超える「糖尿病」になれば、血管にもたらすダメージはより大きくなり、高ければ高いほど全身の血管が傷つけられ易くなります。血糖が高いまま数年が経過すれば、眼、腎臓、末梢神経、脳、心臓などの血管に重大な障害を起こしかねません。なるべく早い段階から生活習慣に気をつけ血糖を上げないように心がけることが血管障害の予防には第一です。

    続けていた治療を止めてしまいそのまま放置したらどうなるか? 血糖が上がった状態が長い間放置されると、治療を再開してもその間に合併症が一気に進んでしまっていることも少なくありません。網膜症での失明、腎症での透析、壊疽での足切断まで至るような重篤なケースは、このような場合に多いと言えます。通常、合併症は段階を経て徐々に進行しますが、中断することにより一気にステップアップしてしまうのです。糖尿病治療は中断することなく、しっかりと続けましょう。

     

    (社)日本糖尿病協会でも、以下が示されています。

     

    2019.01.23

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    怖い壊疽(えそ)は何故起こる? 〜早期発見、早期治療の大切さ〜(シリーズ「糖尿病」㊲) 2018年11月23日(金)

    糖尿病の3大合併症である網膜症、腎症、神経障害は、高血糖により細い血管が傷めつけられて起きますが、太い血管にも動脈硬化という形で起きます。動脈硬化により心筋梗塞、脳梗塞が起きますが、足の血管に起これば閉塞性動脈硬化症(ASO)となり、足の血行を悪くしたり血管をつまらせたりします。

    まず、神経障害が進むと足の感覚が鈍り痛みを感じなくなるので、傷や火傷に気づきにくくなります。また高血糖は免疫力を下げ細菌や真菌(水虫)感染に対する抵抗力を落とすので傷の治りを悪くします。このような状況にASO合併があると血管がつまり新鮮な血液が末梢に届けられないために傷が治らず感染を起こして潰瘍化します。悪化すれば壊疽となり、その部位を切断するしかなくなります。

    足の潰瘍の発症原因は靴ずれが最も多く(7割)、やけど(低温火傷を含む)、けが、感染症(深爪も原因となります)と続きます。足の感覚が鈍いために異変に気づくのが遅れて悪化させてしまうケースが多いようです。

    常日頃からご自分の足をこまめに観察し、異変があればすぐに医師に相談しましょう。治療は皮膚科など他科をご紹介することになります。普段から足を清潔に保つ、深爪を起こさない爪の切り方を心がける等「フットケア」も大事です。

     

    2018.11.22

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    糖尿病性腎症のお話 〜尿中アルブミン検査の必要性〜 (シリーズ「糖尿病」㊱)2018年9月28日(金)

    糖尿病の3大合併症は「しめじ」と覚えますが、「じ」が腎症で、蛋白尿で発症するのが特徴です。糖尿病の方が経過中に尿蛋白が出るようになれば、腎症が発症している可能性が高いですが、その時点で腎機能は通常は正常です。さらに数年が経過し血清クレアチン値が上昇し始め、やがては腎不全となり、高度となればいよいよ透析が必要という経過をとります。

    対策としては、予防と早期発見が重要です。血糖管理が悪いことが一番の原因ですからまずは血糖を良くすること、同時に血圧管理、脂質管理、禁煙等を行い予防します。常に尿蛋白が出るような状態(腎症第3期、顕性腎症期)では既に腎症が完成していますので、もっと早期に発症を知る必要があります。そこで尿中のアルブミン測定を行います。尿蛋白陰性の段階でも、精密検査で尿中アルブミンを測定すると僅かに出ていますのでそこを頼りにします。その値が30(mg/gクレアチニン)を超えたら、腎症の入り口に入った(第2期、早期腎症期)と判断します。

    腎臓そのものを良くする薬はありませんので、先に挙げた基本管理が重要です。さらに病期が進むと塩分、蛋白等の制限も必要になります。腎機能低下を認めたら腎臓内科専門医の先生をご紹介し、連携して治療にあたることも大事です。

     

    2018.09.25

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    熱中症予防の心得 (シリーズ「糖尿病」㉟)2018年7月27日(金)

    例年にない猛暑が続いていますが、お変わりありませんでしょうか。今年は急に暑くなったため身体がまだ暑さに慣れていない、暑いだけでなく湿度も高いなど悪条件が重なっています。

    熱中症予防のためには、暑さを避ける(我慢しない)、小まめな水分補給が大事とされます。 特に糖尿病患者さんの場合は、血糖値が高ければ尿量が多く脱水になりやすい、また合併症で自律神経障害があると発汗が減り体温が上昇しやすく熱中症になりやすい傾向があります。睡眠不足や疲れがたまっている、体調が悪い時なども要注意です。血糖コントロールを早く改善し、まめな水分補給を心がけることで、この時期を無事乗り切りたいものです。

    スポーツドリンクは意外に糖が多いので要注意です。OS-1のような経口補水液の方が糖は少ないです。たくさん汗をかいた時には糖を含まない飲み物か水、お茶に塩少々(市販の経口補水液は塩分濃度が0.3%程度で糖も少々含みます)摂るのもよい(梅干しも可)でしょう。ただし高血圧や腎臓病等ある方は、塩分摂りすぎも駄目ですので主治医に確認を。

    この時期の運動療法は無理をしないように。また、SGLT2阻害薬内服中の方も脱水になりやすいので注意が必要です。

     

    2018.07.27

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    糖尿病の長期管理指標 (シリーズ「糖尿病」④)2014年2月21日(金)

    今年は珍しく大雪が二回もあり、雪かき等大変でしたが大丈夫でしたでしょうか。

    さて、今回は「糖尿病」の長期管理指標について述べたいと思います。血糖値は時々刻々と変動し、食前、食後で値が上下するため、月一回の検査で月間比較するには不十分です。世界的に最もよく使われるのがHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)です。これは、それまでの約1ヶ月の血糖平均に相当し、血糖コントロール状態を月ごとに比較するのに優れています。正常値が4.6?6.2%とされますが、合併症を出さないためにはHbA1cを7%未満に維持することが推奨されています。(注:2012年4月以前は、HbA1cはおよそ0.4%低い値で表示されています。)

    まれですが、様々な要因によりHbA1cがその方の平均血糖を正確に示さない場合があります。他の長期管理指標(平均血糖)として、グリコアルブミン(約2週間の血糖平均に相当)、1,5アンヒドログルシトール(1,5AG、さらに短期間の血糖平均に相当)を使うこともあります。

    春はすぐそこまで来ています。まだまだ寒い日もありますが、どうか体調管理に気をつけられ、冬を乗り越えられるよう頑張って参りましょう。

    2018.07.24

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    尿糖のお話 ~SGLT2って何?~ (シリーズ「糖尿病」⑤)2014年3月28日(金)

    「糖尿病」は文字通り「尿に糖が出る」病気です。一般に血糖約170mg/dl以上(尿糖排泄閾値と言います)で尿に糖が出るようになります。正常の方では、腎臓で尿を作る際、糖が一度は尿中に出るものの、腎臓の近位尿細管にあるSGLT2(尿糖を血液中に戻す関門のようなもの)の働きにより殆どが血中に再吸収されるので尿糖は出ません。しかし、血糖が170mg/dlを超えると、SGLT2の働きの限界を超えるので尿糖が出てきます。尿糖を出すということは少しでも血糖を下げるための身体の反応とも考えられますが、尿糖の量が増えれば、それだけ身体のエネルギー源を失うことにもなります。即ちやせて健康状態も悪くなります。

    尿糖排泄を増やすことにより血糖を下げる薬、「SGLT2阻害薬」が今年から使用可能になります。若い方や元気があり太られた方には有効な治療と思われます。反面、体力の落ちた方やお年寄りではさらに痩せて抵抗力が低下する可能性もあります。脱水(電解質異常)や尿路感染症にも注意が必要です。新薬でもあり、使用にあたっては慎重な観察が必要であると考えています。

    2018.07.24

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