体重を減らす糖尿病の薬 〜SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬〜(シリーズ糖尿病59)2022年7月22日(金)行徳新聞
理想の糖尿病治療薬とは何でしょうか?血糖を下げることはもちろんですが、低血糖を起こさない、体重は増やさない、できれば減らすものがあればベストです。従来体重を減らす糖尿病治療薬は殆ど無かったのですが、近年SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬が使えるようになり、これらは減量効果が期待できます。
SGLT2阻害薬は尿糖を常時出すことにより血糖を下げ体重も減らします。尿量も増えるので開始時には脱水に注意が必要ですが、この使用によりコントロールが改善した方も多くおられます。
GLP-1受容体作動薬は消化管ホルモン(インクレチン)であるGLP-1と同じ作用を持つ薬、元々は注射しかなかったのですが、最近内服薬も出て来ました。インスリン、グルカゴン分泌をうまく調節する事で低血糖を起こさず血糖を下げますが、消化管や脳へ作用による食欲抑制も期待できます。内服楽の方は、毎朝起床時に少量の水で内服した後30分間は他の飲食、内服ができない制限があります。これを守らないと吸収が減り効果が落ちてしまいます。また、同じ薬で週一回だけの注射薬もありますので、こちらの方が使いやすい方もいるかもしれません。
これらはまた、心臓や腎臓に問題がある2型糖尿病患者さんに対しても、有効な治療薬として欧米の治療ガイドラインでも推奨されている薬になります。