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糖尿病性腎症のお話 〜尿中アルブミン検査の必要性〜 (シリーズ「糖尿病」㊱)2018年9月28日(金)
糖尿病の3大合併症は「しめじ」と覚えますが、「じ」が腎症で、蛋白尿で発症するのが特徴です。糖尿病の方が経過中に尿蛋白が出るようになれば、腎症が発症している可能性が高いですが、その時点で腎機能は通常は正常です。さらに数年が経過し血清クレアチン値が上昇し始め、やがては腎不全となり、高度となればいよいよ透析が必要という経過をとります。
対策としては、予防と早期発見が重要です。血糖管理が悪いことが一番の原因ですからまずは血糖を良くすること、同時に血圧管理、脂質管理、禁煙等を行い予防します。常に尿蛋白が出るような状態(腎症第3期、顕性腎症期)では既に腎症が完成していますので、もっと早期に発症を知る必要があります。そこで尿中のアルブミン測定を行います。尿蛋白陰性の段階でも、精密検査で尿中アルブミンを測定すると僅かに出ていますのでそこを頼りにします。その値が30(mg/gクレアチニン)を超えたら、腎症の入り口に入った(第2期、早期腎症期)と判断します。
腎臓そのものを良くする薬はありませんので、先に挙げた基本管理が重要です。さらに病期が進むと塩分、蛋白等の制限も必要になります。腎機能低下を認めたら腎臓内科専門医の先生をご紹介し、連携して治療にあたることも大事です。
2018.09.25
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