味噌は大豆や米、麦などに麹を加えて発酵させることで作られる日本伝統の発酵食品の一つで、大豆蛋白、イソフラボンはじめ種々の栄養素を含み、発酵されることでより吸収されやすくなっています。肥満者の腸内環境は悪玉菌が多く善玉菌が少ないと言われますが、味噌を含む発酵食品に含まれるピログルタミルロイシンはこの悪い腸内環境を改善するようです。

 

 また、大豆摂取が多いと糖尿病発症が抑制されたとか、味噌汁を週一回飲むより毎日一杯飲んだ方が糖尿病の発症、悪化に関わるインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなること)の指標が改善したとか、味噌汁を飲んでいる女性は、そうでない女性と比べ肥満が少なく血糖コントロールが良かったという報告もあります。よって、毎日一杯程度の味噌汁は糖尿病や健康寿命の改善に寄与するかもしれません。

 

 ただ問題となるのは味噌に含まれる塩分の量です。味噌汁一杯に含まれる塩分量は約1g、日本人の一日平均塩分摂取量は10gとまだまだ多く、高血圧の方では一日6g以下が勧められています。

 

 減塩味噌を使ったりして一日全体の塩分摂取量を増やさずに味噌汁を取り入れられるかは主治医、管理栄養士とよくご相談ください。

 

わたなべ糖内科クリニック