コーヒーと糖尿病 〜何事もほどほどにしましょう〜(シリーズ糖尿病57)2022年3月25日(金)行徳新聞
2002年のオランダの研究および我が国の研究の結果、コーヒーを多く飲む人では空腹時血糖値の高い人が少なく、2型糖尿病の発症が少なかったことが報告されており、コーヒー摂取により糖尿病発症が抑えられる可能性が示唆されています。同様に、緑茶の摂取量も増えるほど糖尿病の発症リスクが低下するようです。
コーヒー、緑茶に含まれるカフェインは脂肪の燃焼を促進するなど代謝を活性化しますし、また緑茶に含まれるエピガロカテキンガレートやコーヒーに含まれるクロロゲン酸には抗酸化作用があるので血管の炎症やダメージを抑える可能性もあります。欧米の研究では、コーヒーを1日3杯以上飲んでいる人では脳卒中や心臓血管病発症が抑えられたという報告もあります。
ただし、すでに糖尿病や心臓病がある人にとっては、カフェインは短期的にはインスリンの働きを抑え血糖値を上昇させますし(砂糖を入れればさらに良くない)、心筋梗塞を誘発する可能性もありますので、摂りすぎは良くないでしょう。1日3杯以下にすべきです。またカフェインを摂りすぎることで起きるリスクとしては、膀胱がん発症のリスクや、妊婦での流産や胎児の発育が悪くなるリスクなどもあります。