あえて糖質だけに着目してみる 〜カーボカウント(基礎、応用)〜(シリーズ糖尿病62)2023年1月27日(金)行徳新聞
食事にはタンパク質、脂質、炭水化物が含まれています。炭水化物(=糖質+食物繊維)は大部分が糖質ですので、ここでは炭水化物=糖質として扱います。エネルギー(カロリー)が同じであっても、糖質、タンパク質、脂質では食後の血糖値の上がり方は大きく違い、糖質が最も早く高く上がります。そこで、食事に含まれる糖質の量(グラム)だけに着目し、血糖コントロールに役立てる方法を「カーボカウント(=糖質カウント)」と言います。
まず食事中に含まれる糖質量をきちんと把握でき適切に摂ることができれば、食後の血糖値がより安定しますし、薬との関係で低血糖を起こすことも減らせます。また外食や中食(なかしょく=出来合いの物を買って来て家で食べること)の際にも役立ちます(基礎カーボカウント)。
さらに、1型糖尿病や強化インスリン療法を行なっている患者さんでは、食品中の糖質量と速効型インスリン投与量をマッチさせる方法を学び、糖質量に応じてインスリン量を調整できるようにトレーニングします(応用カーボカウント)。これにより食事の自由度、満足度を高めることが出来、血糖コントロールをよりスムーズにします。
まず前提として、「糖尿病の食品交換表」に基づいた栄養指導を受けることにより、食事の中に含まれるエネルギー量と栄養バランスをきちんと理解することが必要になります。簡単ではないかもしれませんが、やる価値はあると思います。