入院すれば、どんなに悪い糖尿病でもとりあえず良くすることが出来ます。普段の生活とは異なる特殊な環境を設定できるからです。食事療法を厳格に設定できますし、間食も出来ません。一定の条件下ですが、運動することも可能です。一日数回定期的な血糖チェックをされ、主治医は日々のデータを見ながら治療内容を細かく調整できるので、より早くより正確に血糖コントロールを改善することが出来ます。

 

しかし、退院すれば日常の生活に戻るので食事も運動も全て自分で管理していかなければなりません。退院後しばらくは出来ても、時間が経つにつれてだんだん疎かになり、いつしか元に戻ってしまうかもしれません。結局、このように再び悪化して入退院を繰り返すことは少なくありません。一方、一度の入院でコントロールするきっかけをつかみ、以後自分でうまくコントロールできる方もおられます。

 

糖尿病治療の理想は、日常生活の中で紆余曲折を繰り返しつつも良いコントロールを継続することです。それにより生活、人生に影響を与える血管合併症の発症、進展を防ぐことができます。日常生活を変えない外来通院で良好なコントロールを維持できることが一番の理想です。

 

 

わたなべ糖内科クリニック