一口に肥満と言っても良い肥満と悪い肥満があるのをご存知でしょうか。中年期以降代謝が低下してお腹が出やすくなると思いますが、同じようにお腹周りの肥満があっても内臓脂肪が増えているか皮下脂肪が増えているかでリスクは大きく異なります。お腹の脂肪が指でつまみやすいなら皮下脂肪がメインかもしれませんが、つまみにくいなら内臓脂肪が増えている可能性があります。

 

内臓脂肪が多いほうが糖尿病、高血圧、脂質異常症などの代謝異常を併発しやすくなり、将来的に動脈硬化疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)を発症しやすくなります。このような病態をまとめて、かつては内臓脂肪症候群、死の四重奏などとも呼ばれましたが、今ではメタボリック・シンドロームとしてほぼ統一されています。

 

内臓脂肪は皮下脂肪に比べて簡単につきやすい一方でとれやすい。脂肪を余分なエネルギーの蓄積と考えると内臓脂肪は普通預金で、皮下脂肪は定期預金などと例えられます。減らすためにはダイエットや運動などの生活習慣の改善が必要です。やはりカロリー(脂肪摂取)を減らし食物繊維を増やすこと、玄米や雑穀米、大豆、魚、海藻、きのこ類などを食べると良いとされます。運動では今より3000歩多く歩いてみる、たとえ細切れ運動でも効果は期待できます。

 

わたなべ糖内科クリニック