生活習慣病の薬はのみ続けても大丈夫? (シリーズ「糖尿病」㉓)2016年7月29日(金)
最近、某週刊誌報道で糖尿病、高血圧、高脂血症等の薬のことが取り上げられ、心配になられた患者様から「続けても大丈夫か?」との質問を受けます。内容を見ると、ある薬の一部の悪い部分だけをことさら強調し報道しており、取材先から「ねつ造」との指摘もあがっているようです。これを読んで薬をやめたいと言う方もおられるようですが、勝手に中止した場合悪化し最悪命を脅かすこともありますので、まずは主治医とよく相談して下さい。
基本的に薬は身体にとって異物であり毒になる可能性がある。効果とリスクを天秤にかけ効果がはるかに上回る場合に処方されます。特に生活習慣病の薬は長期に亘ってのみ続けなければならず副作用がゼロであることが理想ですが、必ずしもそうとは限りません。
そこで基準になるのがエビデンス(EBM)といって、より多くの人に長期間投与して合併症がどうなったか、究極には死亡率を下げることが出来たかどうかという調査結果が重要になります。古い薬ほどエビデンスが揃っていますが、新しい薬ほど調査が現在進行中だったりします。医師は、こういったエビデンスに基いて個々の患者さんに最も適した治療を選ぶことになります。究極、薬は使わないに越したことはないのですが、使った方が将来の合併症や死亡率を下げると判断できる場合のみ処方します。