自律神経って何? 〜糖尿病による自律神経障害とは?(シリーズ糖尿病72)2024年9月27日(金)行徳新聞
末梢神経の一部である自律神経は、内臓の働き、血液の流れなど生命を維持する重要な働きをしていますが、自分の意思ではコントロールできない神経です。交感神経、副交感神経という相対する作用の2つの神経により、常時コントロールされています。
健康な人なら昼間は交感神経が強く働いてアクティブに活動でき、夜間は副交感神経が優位になりぐっすり眠れるようになっています。
しかし、日々の生活習慣や食生活の乱れ、ストレス、更年期等によりこのバランスが崩れてしまうと様々な体調不良や精神的な不調の原因となり問題になります。
糖尿病コントロールが悪いと合併症として(末梢)神経障害も起きますが、足のしびれ、痛みのような知覚神経の障害とともに自律神経障害もよく見られます。
具体的には消化管運動神経の機能低下による吐き気、嘔吐、便秘、下痢、膀胱機能低下による残尿や無力性膀胱、勃起障害(ED)等も見られます。
起立性低血圧による立ちくらみ(ひどい場合は失神することも!)もあり、低血糖時の交感神経反応が低下してしまう無自覚性低血糖は危険でもあります。
心迷走・交感神経の機能低下による無痛性心筋梗塞もあり心筋梗塞を起こしても気づかないこともあります。
対症療法が難しいことも多く、まずは血糖を良くして予防していくことが一番です。