ストレスと糖尿病 〜ストレスで血糖は上がるのか?〜(シリーズ糖尿病51)2021年3月26日(金)行徳新聞
2型糖尿病はいわゆる生活習慣病ですから、治療には内服、注射といった薬物療法に加えて食事療法、運動療法、禁煙、節酒といったセルフケア行動が必須になります。患者さんは治療を医療者まかせには出来ず、自分の生活を律し続けていかなければならないというストレスがあります。さらに合併症がある場合、その症状によるストレスがありますし、また仕事、家庭での社会的ストレスが血糖コントロールを悪化させる場合もありましょう。
ストレスが長く続けば、うつ病(うつ状態)にもなりやすい。ストレス、うつが続くことでカテコラミン、糖質コルチコイドという“ストレスホルモン”の分泌が亢進し、それらがインスリンの働きを悪くすることで血糖が上がり、一方で内臓脂肪蓄積、遊離脂肪酸の増加をおこします。また、ストレスに対処する行動(コーピング)として過食や多量飲酒、喫煙が増えれば、食事・運動療法を乱しさらに悪化させます。
ストレスに対処するためには、バランスの良いライフスタイルとリラクゼーション法を身につけることが肝要です。食事、飲酒は手っ取り早いストレス解消法ですが過量にならぬよう注意すべきです。適度な運動はストレス解消になるとともに減量、血糖低下にも大変有効です。寝不足もストレスとなりますが、20分程度の仮眠を取るだけでも有効とされます。瞑想、禅、ヨガ、気功、太極拳などもリラクゼーション効果があります。