糖尿病治療、いつやるか? ◯◯でしょ! ~レガシー(遺産)効果について~ (シリーズ「糖尿病」②)2013年12月13日(金)
健康診断などで「糖尿病」と診断されてしまった場合、果たしていつから治療を開始すべきでしょうか。もちろん早く開始したほうが良いに決まっていますが自覚症状がないことも多く、忙しかったりしてついつい後回しになりがちですよね。
海外の大規模研究で、最初からしっかり治療した糖尿病患者さん達(A群)と当初はしっかり治療しなかった患者さん達(B群)を比較したところ、数年が経過した時点で、血糖平均が良かったA群の方で合併症が明らかに少なかったのですが、心筋梗塞のような動脈硬化疾患の発症では差がありませんでした。その後A群もB群も治療内容、血糖平均ともに同じような状態になり、更に10年が経過しました。その結果、合併症はやはりA群で少なく、さらに心筋梗塞のような動脈硬化疾患の発症も少なくなっていることが分かりました。
すなわち、糖尿病を最初からしっかり治療したことが正の“遺産(レガシー)”となり、10年後、20年後の合併症までも減らすことが分かったのです。この事は“メタボリック・メモリー”とも言われ、最初にきちんと治療していないと負の遺産にも成りうるわけです。
糖尿病と診断されたら放っておかず、一刻も早く治療を始めることをおすすめいたします。