熱中症に注意! (シリーズ「糖尿病」⑰)2015年7月31日(金)
いよいよ梅雨も明け暑くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。この時期、熱中症による救急搬送人数は毎年4万人以上に上ります。熱中症とは、高温、多湿、強い日射等の環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機構が働かなくなったりして発症する障害の総称です。
特に糖尿病の方は、尿量が多くなれば脱水を起こしやすく、自律神経障害が合併すれば発汗機能が低下し体温が上がりやすくなるので高リスクと言えます。ご高齢の方も脱水の自覚症状を感じにくくなっていることがあり注意が必要です。
炎天下だけでなく熱のこもった室内でも起こりえます。死に至る病であることを自覚して早めに対処しましょう。こまめに室内の温度管理をする、熱のこもる服装を避ける、暑さを「我慢しない」ことも大切です。まずは水分摂取が必要ですが、スポーツドリンクは糖が意外に多いので、水やお茶をお勧めします。でも摂りすぎた場合、低ナトリウム血症になることがあるので、塩分の補給も必要になります。少量の塩を摂る、経口補水液(OS-1など:スポーツドリンクと比べ塩分は2倍、糖は半分)を飲むという方法もあります。もちろんこの状態でビールなどは厳禁です。水分・塩分が摂れない場合、補給できても症状が改善しない場合は、速やかに救急外来を受診してください。