これから頑張ればよいのです! ~糖尿病コントロールの季節変動〜(シリーズ「糖尿病」㊹)2020年1月24日(金)行徳新聞
今月はHbA1cが上がってしまった方も多いのではないでしょうか。まあ、仕方ありません。そういう時期です。1月は暦の上でも小寒、大寒があり、これからまだまだ寒くなります。寒ければ汗をかきにくく、それだけで代謝は落ちます。その結果、インスリンの効きが悪くなり血糖が下がりにくくなる。
一方、寒いと体重が増えやすくなる。体重が増えればそれだけで血圧が上がる、血糖も上がる。内臓脂肪の蓄積も増えるのでメタボとなり、肝臓の細胞の中に脂肪が溜まれば、いわゆる脂肪肝(脂肪性肝炎)にもなります。脂肪肝といっても馬鹿に出来ません。中にはNASH(ナッシュ)という悪性の脂肪肝があり、その場合肝硬変へ移行するからです。
今月の悪化の原因は、年末年始、お正月の後だったということもありましょう。この時期はイベントも多く、寒さと相まって暴飲暴食、運動不足に陥りやすいからです。生活習慣病の治療は生涯続くことも多い。先は長いのですから、一喜一憂せずゆったり構えましょう。これから良くすれば良いのです。ちなみに、この時期悪化する方は、暖かくなると良くなる傾向があります。
上記は、大分県日田市のグループからの報告(Diabetol Int 2013; 4: 173-178)です。
夏に比べて冬のHbA1cの平均値が高くなっていることがわかります。