シリーズ糖尿病

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    人生100年、筋量増やして健康寿命  〜サルコペニア? フレイル?〜(シリーズ「糖尿病」㊸)2019年11月22日(金)行徳新聞

    さる11月14日は世界糖尿病デーでした。今年の標語は「人生100年、筋量増やして健康寿命」でした。糖尿病治療の目標は血糖管理をよくすることで合併症の発症、進行を防ぎ、健康な人と変わらない寿命と生活の質を維持すること(健康寿命の確保)です。人生100年といわれる時代に突入し、高齢化の急速な進行と共に介護を必要とする高齢者が増えることが問題視されています。

    高齢になると糖尿病だけでなく、骨粗鬆症や整形外科疾患、心臓病、呼吸器疾患など様々な病気を発症しやすくなります。それらの結果、筋肉量が減りやすくなる(筋肉が減ること=サルコペニア)。筋力や身体機能が低下すれば日常生活にも支障をきたすようになり要介護へ移行しやすくなる(この状態をフレイルと言います)ので、それを防ぐための支援も必要になります。

    まず筋肉量を減らさないことが大事。痩せ過ぎれば筋肉量も減って来ます。65歳以上の高齢者は筋肉量が減るサルコペニアになる可能性を考えて、体重を下げすぎないことも大事。痩せないためにはまずカロリーを確保する。また蛋白質(肉魚、大豆食品)をきちんと摂る。和食の方でも卵、納豆を加えれば良いです。また糖質(炭水化物)制限は、高齢者ではカロリー不足に陥りやすい点で注意が必要です。

     

     

    11月14日「世界糖尿病デー」の啓蒙ポスター(2019年)

    この日は、1921年に世界で初めてインスリンを発見した一人である、カナダ(トロント)の外科医バンティングの誕生日です。

    2019.12.02

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    首里城が全焼、、、嗚呼 (院長ブログ)

    先日の首里城全焼は、耳を疑うような出来事でした。

    沖縄はよく訪れますが、首里城はお気に入りの場所で那覇に滞在すれば必ず一度は行きます。高台にあって、那覇市内や港が一望でき、遠くには慶良間諸島も見えて、夕日が綺麗です。

    首里城には城壁の端のあたりに展望台もあるので、そこからの眺めは雄大で素晴らしく、西方に向いているため、晴れの日の日没の夕陽は美しいです。

     

    今回焼失してしまったのは、有料でお金を払わないと入れない内部の建物です。中心である正殿と、北殿、南殿、番所のあたりまでが焼失しました。正殿と南殿の間のあたりは、今年2月に開園したばかりの御内原(おうちばら、ウーチバラ)で、当時は国王以外の男子は立ち入れない男子禁制の場所であり、江戸城でいう大奥のようなところです。ここは出来たばかりなので、結局見ることなく消えてしまいました。

    いつもは有料のスペースまでは入らない(新たに作ったものにはそれほど興味がない)のですが、一昨年8月に久しぶりに中に入りました。その時、御内原の場所をスタッフに尋ねたのですが、まだ建設中とのことでした。その時に北殿で購入した「琉球紅型」がクリニックにあります。

    また、大龍柱のレプリカも買いました。大龍柱は首里城正殿の正面に対になって立っています。

    今回正殿は全焼しましたが、大龍柱だけは焼けずに残りました(→https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/493359

     

    次に見れるのはいつになるか分かりませんが、ゆっくり待ちたいと思います。

     

     

    在りし日の首里城正殿とその内部(iPad Proで撮影)

    国王の椅子、両脇を龍柱が守ります。

    立派な国王の王冠ですが、これはレプリカで本物は県立博物館にあるようでした。

    一階では地下の遺跡が見えるしかけもありましたが、これは焼け跡にも残りました。

    首里城の雲は、何故か「鳳凰」の形に見えました。

     

    2019.11.08

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    受付の改装と照明工事(LED化)を行いました。

    受付の改装と照明工事(LED化)を行いました。

    LED蛍光灯は紫外線が少ないため、虫が寄ってこないようですね。

    2019.11.07

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    糖尿病による死亡率、ワーストは青森県 〜千葉県は何位?〜(シリーズ「糖尿病」㊷)2019年9月27日(金)行徳新聞

    厚生労働省の発表によると、人口10万人あたりの糖尿病による死亡率(2018年)が47都道府県中最も高かったのは青森県(20.2人)で、何と4年連続でワーストでした(それまでは徳島県)。最も低かったのは神奈川県(7.8人)で、愛知県、東京都と続きます。千葉県は良い方から16位ですが、10万人当りの死亡率11.6人とほぼ全国平均(11.4人)並みでした。

    青森県は、糖尿病の合併症でもある脳卒中や心筋梗塞による死亡が多く、その原因として、食塩摂取量の多さ、多量飲酒者の多さ、喫煙率の高さがあるとされ、雪国ゆえの運動不足による肥満、検診受診率の低さ等も指摘されています。全国と比べても糖尿病の病状が進行し合併症を発症している方の割合も多いようです。

    同じくワースト3に入る徳島県、香川県は、うどんをはじめ糖質(炭水化物)摂取量が多いこと、車が必須でコンビニにも車で行く等深刻な運動不足が原因かもしれません。

    糖尿病知識の啓蒙、普及がなされ、まずは予防に努め、指摘されたら放置しない、必要であれば定期的に通院し、合併症発症をまず予防し、発症しても進行させないことが、ひいては糖尿病による死亡率を下げることにつながります。

     

     

    2019.09.30

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    待ったなし!糖尿病合併症について  〜しめじ? えのき?〜(シリーズ「糖尿病」㊶)2019年7月26日(金)行徳新聞

    糖尿病の合併症、「しめじ・えのき」と覚えましょう。「しめじ」は、し:神経障害、め:眼(網膜症);じ:腎臓(腎症)でいわゆる3大合併症を、また「えのき」は、え:壊疽、の:脳梗塞、き:狭心症・心筋梗塞を表し、動脈硬化の結果起きうる重大な合併症になります。

    糖尿病治療で一番大事なことは合併症を起こさないこと、もしくは既にある合併症をそれ以上進行させないことです。そのためには、HbA1cは7%未満に下げるべきであるし、またLDLコレステロールを120 mg/dL以下、血圧は130/80 mmHg以下に維持すべきです。

    もし、これらデータが悪ければ薬を使ってでも下げるべきです。要はデータ次第、データが悪いまま続けば、いずれは合併症で後悔する可能性が高くなります。そのためには、薬も必要。薬を使わなくてもデータが良ければそれでいいし、データが良くなれば薬をやめることも出来る。薬開始を躊躇しているうちに数ヶ月〜数年の歳月が経過してしまい、いつの間にか合併症が進んでしまうかもしれません。

    薬を使うか、使わないかが問題ではありません。要はデータを良くすること。合併症を起こさないとされる基準値まで下げ、それを維持していくことが最も大事なのです。

     

     

    2019.07.27

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    食事療法について 〜体重コントロールがまず大事〜(シリーズ「糖尿病」㊵)2019年5月24日(金)行徳新聞

    体重増加で糖尿病は悪化しやすい。体重を落とすには、まず食事の総カロリーを減らすことが必要です。食事の栄養素は大きく、炭水化物(糖質)、蛋白質、脂質(あぶら)に分けられ、それぞれの摂取バランスと健康との関連が議論されています。

    糖質制限は、糖質(炭水化物)だけに着目して制限すれば良いので分かりやすく、実行しやすい。糖質摂取量を減らすことで食後の血糖は上がりにくく食後のインスリン分泌が減るので体重が落ちやすく短時間で効果を実感しやすい。ただ初期には効果が顕著でも、長期間維持するのは難しく徐々に効果が薄れることも多い。

    BMI(体格指数)=22が標準体重ですが、必ずしもそこを目指す必要はありません。肥満の方は、まず現体重の−5%減量で血糖や代謝はかなり改善します。

    糖質制限を推奨する時にタンパク質、脂質はいくら食べても良いという論調もありますが果たしてどうでしょうか。腎臓病になると蛋白質摂取を制限しますが、蛋白摂取が多いと腎機能が悪くなるというデータは無さそうです。ただ動物性蛋白の摂取が多いと動脈硬化による死亡や糖尿病発症を増やすという報告もあり、現時点においては蛋白摂取量は総カロリーの20%以下が良さそうです。

    脂質は中身次第だと思います。肉は飽和脂肪酸を含みやすく動脈硬化につながるので脂身は避けたい。魚、なかでも光り物はオメガ3系不飽和脂肪酸を多く含み健康にも良い。オリーブオイルも一般的に良いとされますが、カロリーは高いので摂りすぎれば太ります。

     

     

     

    2019.06.12

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    糖尿病の運動療法 〜レジスタンス運動の併用も効果的〜(シリーズ「糖尿病」㊴)2019年3月22日(金)行徳新聞

    糖尿病では食事療法とともに運動療法が有効です。以前よりウォーキング、ジョギング、サイクリングのような(10分以上筋肉を動かす)「有酸素運動」が勧められ、代謝改善によりインスリンの効きが良くなり血糖が下げるだけでなく、血圧、脂質改善の効果もあります。運動による糖代謝の改善効果は半日〜3日持続しますので、少なくとも週に3〜5日、(ややきついと感じる)中等度の有酸素運動を20〜60分間(週150分以上)行うことが理想とされますが、少なくても大丈夫。しないよりはまし、細切れウォーキングでも効果はあります。

    週に2〜3回「レジスタンス運動」を併用するとより効果的です。これは筋肉に負荷を与える運動で、自体重、チューブ、ダンベル、マシンを使うことで筋力と筋持久力を高め、同様に血糖を改善することが分かって来ました。

    以上は比較的元気で身体機能に問題の無い方にお勧め出来ますが、一人ひとり状況は違いましょう。膝に問題のある方などでも水中歩行なら出来るかもしれません。しかし、心臓に問題のある方、眼や腎臓に合併症のある方では運動が好ましくないケースもありますので、まず主治医とご相談ください。

    まず、出来ることから始める。なるべく階段を使う、ある程度短い距離なら歩いてみる、通勤で一駅歩くことから始めてみましょう。

    2019.04.10

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    なぜ、治療が必要か?(シリーズ「糖尿病」㊳)2019年1月25日(金)行徳新聞

    高い血糖はなぜ下げなければいけないか? 高血糖があっても症状がないことも少なくありません。しかし、食後の血糖が一過性に140mg/dLを超える程度の「血糖値スパイク」であっても、その反復により血管が傷つけられ動脈硬化や認知症、がんの原因になることが分かって来ました。さらに血糖が繰り返し200mg/dLを超える「糖尿病」になれば、血管にもたらすダメージはより大きくなり、高ければ高いほど全身の血管が傷つけられ易くなります。血糖が高いまま数年が経過すれば、眼、腎臓、末梢神経、脳、心臓などの血管に重大な障害を起こしかねません。なるべく早い段階から生活習慣に気をつけ血糖を上げないように心がけることが血管障害の予防には第一です。

    続けていた治療を止めてしまいそのまま放置したらどうなるか? 血糖が上がった状態が長い間放置されると、治療を再開してもその間に合併症が一気に進んでしまっていることも少なくありません。網膜症での失明、腎症での透析、壊疽での足切断まで至るような重篤なケースは、このような場合に多いと言えます。通常、合併症は段階を経て徐々に進行しますが、中断することにより一気にステップアップしてしまうのです。糖尿病治療は中断することなく、しっかりと続けましょう。

     

    (社)日本糖尿病協会でも、以下が示されています。

     

    2019.01.23

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