なぜ、治療が必要か?(シリーズ「糖尿病」㊳)2019年1月25日(金)行徳新聞
高い血糖はなぜ下げなければいけないか? 高血糖があっても症状がないことも少なくありません。しかし、食後の血糖が一過性に140mg/dLを超える程度の「血糖値スパイク」であっても、その反復により血管が傷つけられ動脈硬化や認知症、がんの原因になることが分かって来ました。さらに血糖が繰り返し200mg/dLを超える「糖尿病」になれば、血管にもたらすダメージはより大きくなり、高ければ高いほど全身の血管が傷つけられ易くなります。血糖が高いまま数年が経過すれば、眼、腎臓、末梢神経、脳、心臓などの血管に重大な障害を起こしかねません。なるべく早い段階から生活習慣に気をつけ血糖を上げないように心がけることが血管障害の予防には第一です。
続けていた治療を止めてしまいそのまま放置したらどうなるか? 血糖が上がった状態が長い間放置されると、治療を再開してもその間に合併症が一気に進んでしまっていることも少なくありません。網膜症での失明、腎症での透析、壊疽での足切断まで至るような重篤なケースは、このような場合に多いと言えます。通常、合併症は段階を経て徐々に進行しますが、中断することにより一気にステップアップしてしまうのです。糖尿病治療は中断することなく、しっかりと続けましょう。
(社)日本糖尿病協会でも、以下が示されています。