運動療法について ~基本は平地歩行~ (シリーズ「糖尿病」⑥)2014年4月25日(金)
良い気候になって参りました。運動にはもってこいの季節ですね。
運動療法は、食事療法、薬物療法と併せ糖尿病治療の3本柱とされます。運動によるカロリー消費は思ったほど多くないので、食事療法も欠かせません。しかしながら、適度な「有酸素運動」を継続することにより、体内のインスリンの効きが良くなり血糖値が下がりやすい体質に変わっていきます。同時に脂質代謝、血圧も改善しやすくなり、体脂肪も減り(肥満が解消)、筋肉が増え(基礎代謝のアップ)、血液循環が良くなり心理的ストレスも解消しやすくなります。
運動のやり過ぎはかえって代謝を悪化させ血糖が上がることがあるので注意しましょう。目安としては最大酸素消費量の約50%強度、1分間の心拍数が138-年齢÷2を超えない程度にします。64歳の方でしたら一分間の脈拍が106を超えない程度です。酸素供給に見合った強度の運動である「有酸素運動」を継続することが代謝を改善します。平地歩行なら一回20~30分までを週3日以上(毎日出来ればなお良い)が目安になります。徐々に速歩で歩くようにしたり、一日2回出来ればなお良いでしょう。
血糖、血圧がまだ高すぎる方、進行した糖尿病合併症のある方、狭心症のある方など運動をしてはいけない場合もありますので、主治医とよく相談してからにしましょう。