血糖値が高くなると、必要量以上に尿が出てしまい(多尿)、身体は脱水になってきます。その結果、喉が渇き(口渇)、水分を沢山摂る(多飲)ようになります。さらにインスリンの作用不足が進み高血糖が悪化すれば、体重減少、全身倦怠感をきたすようになります。さらなる高血糖(血糖500mg/dl以上)で脱水が高度になり、悪心、嘔吐、意識障害をきたす場合は早急な治療を要します。

この「口渇、多飲、多尿」は、糖尿病の典型的な症状とされますが、高血糖状態が長期間続くと、身体は慣れてくるため徐々に症状を感じなくなります。実は、この「無症状」が最も多い症状で、自覚がないため糖尿病が長期間放置される原因となっています。この場合、検査をしてみないと状態が分からないため注意が必要です。

糖尿病罹病期間が長期に亘ると、網膜症、腎症、神経障害など慢性合併症による症状が出現する可能性があります。視力障害、失明、眼圧上昇による眼痛、下肢・全身のむくみ、しびれ(糖尿病の場合は左右対称性であることが特徴)、感覚障害、自発痛、こむら返り、自律神経障害による症状(起立性低血圧による立ちくらみ、頑固な便秘、繰り返す下痢、胃もたれ感、勃起障害、尿閉等)などがこれにあたります。

わたなべ糖内科クリニック