何故、糖尿病になるのでしょうか? ~2型糖尿病になる素因と誘因~ (シリーズ「糖尿病」⑨)2014年7月25日(金)
「糖尿病」とは、慢性的に血糖が高くなる病気です。正常の血糖値は100mg/dl前後を中心として常に一定の範囲(およそ60?160mg/dl)に維持されています。血糖を下げる唯一のホルモンが「インスリン」ですが、このインスリンの「分泌が足りない」か「効きが悪い」と、血糖が上がり糖尿病を発症します。
ウイルス感染などが原因でインスリンが出なくなる「1型糖尿病」(全体の5%以下)と、遺伝・生活習慣が関与する「2型糖尿病」(約95%)に大きく分けられます。
2型糖尿病の発症には素因(遺伝)と誘因(環境因子)が必要で、元々糖尿病の遺伝を持った方に誘因が加わって初めて発症します。この誘因(環境因子)には、加齢、運動不足、過食、肥満(特に内臓脂肪肥満)、身体的ストレス(けが、病気、手術、妊娠)などがあります。例えば、歳をとるほど代謝の低下、筋肉量の低下、運動量の低下等により糖尿病になりやすくなるわけです。けが・病気をした時、手術前後などストレス下では、体内のストレスホルモンが増えるので血糖は上がっています。加齢以外の環境因子は、取り除くことが出来れば(病状、程度にもよりますが)糖尿病が治ることもあります。