血糖値スパイクのお話 (シリーズ「糖尿病」㉗)2017年3月24日(金)
「血糖値スパイク」という言葉を知っていますか。検診やドックで空腹時血糖やHbA1cは正常であるにもかかわらず、食後血糖が140mg/dl以上に一時的にスパイク状に上がってしまう場合を言います。食後だけ一時的に上がるのみで、空腹時血糖はほぼ正常ですので検診では引っかからないことが多いです。しかし、血糖値スパイクの値の増加、頻度の増加につれて様々な合併症が起きやすくなることが分かって来ました。具体的には心筋梗塞、脳梗塞や認知症、さらには癌のリスクも高めるとされます。
血糖値スパイクは、食後1時間程での血糖を測ることで見つけることが可能です。出来るだけ早期に見つけ、無かった状態に速やかに戻すべく努力することが大事です。まだ糖尿病ではなく、以下が有効とされます。①食べる順番;まず野菜→肉魚から手をつけ、ご飯(炭水化物)は最後に食べる。②朝食を抜かない;食事を抜くとインスリン分泌が落ちるので次の食事で血糖値スパイクが起きやすくなる。定期的に一日三食食べるのが望ましい。③食後はちょこちょこ動け!;食後すぐに動くことで血液が手足の筋肉に奪われ、胃腸の動きが落ち糖の吸収が落ちるので血糖が上がりにくい。出来れば食後すぐに散歩する。このような小まめな心がけだけでも血糖値スパイクの程度、頻度を減らすことが出来、それは必ず効果があります