2型糖尿病があると、アルツハイマー型認知症や血管性認知症になる可能性が高くなると言われています。その理由は、糖尿病によって血糖値が高くなったり、インスリン(血糖を下げるホルモン)の効きが悪くなることで、脳に悪い影響が出るからです。

 たとえば、アルツハイマー型認知症では、アミロイドβやタウたんぱくという異常なたんぱく質が脳にたまりやすくなり、これが認知症を進める原因になります。また、糖尿病が進むと血管が硬くなったり、詰まりやすくなったりして、脳の血流が悪くなります。その結果、血管性認知症というタイプの認知症も起こりやすくなります。

 さらに、血糖値が高い状態が続くと、神経の細胞にダメージを与えてしまい、脳の働きが悪くなったり、脳が縮んでしまうこともあります。特に記憶をつかさどる「海馬」という部分が影響を受けやすいです。

 このような認知症を防ぐためには、血糖値を適切にコントロールすることが大切です。ただし、高齢の方の場合、血糖値を下げすぎて低血糖になると、かえって認知症のリスクが上がることもあるため、「血糖を下げすぎないように気をつける」ことも重要です。

 

 

 

 

わたなべ糖内科クリニック