糖尿病の克服には「腹やせ」を! (シリーズ「糖尿病」㉔)2016年9月23日(金)
糖尿病合併症、なかでも心筋梗塞や脳梗塞のような動脈硬化性疾患を発症すると、その後の人生、健康寿命にも大きな影響を及ぼしかねません。これらを防止するには血糖管理だけでは不十分で、同時に高血圧、脂質異常症などもしっかり管理しないといけません。
これら併発する代謝異常の一番の大元になると考えられるのが、内臓周囲に脂肪がたまった状態である「内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)」なのです。脂肪肝(脂肪性肝炎)もこの病態の一つです。内臓脂肪細胞が増えるとアディポサイトカインという悪玉ホルモンが多く分泌され、糖尿病、動脈硬化を発症、進展させやすい危険な状態になります。逆に内臓脂肪が減らせれば、すべてを一気に良くすることも可能です。
それには何が有効か。カロリー制限がうまく出来なくても、糖質(炭水化物)制限だけでもより速くやせられることが分かっています。極端な糖質制限はお勧めしませんが、緩やかな糖質制限なら良いと思います。主食を摂りすぎている方はご飯の量を減らす(半分にする)、絶対に大盛りにしない、糖質の間食は控えるといった心がけも有効です。運動も有効で、ウォーキングのような「軽い有酸素運動」に「軽い筋トレのレジスタンス運動」を加えられればより効果的です。
(注)糖質=炭水化物、と考えて下さい。