体重が増えにくくなる薬? 〜SGLT2阻害薬〜 (シリーズ「糖尿病」㉝)2018年3月23日(金)
2型糖尿病は肥満が問題です。内臓脂肪型肥満(メタボ)があると脂質異常症や高血圧も併発しやすく動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)を起こしやすくなります。又脂肪肝も併発し、中にはNASHのような悪性の脂肪肝もあります。たとえ糖尿病が良くなってもこれらがあれば安心できません。痩せれば全て良くなるので痩せることが重要です。痩せるためには徹底したダイエットが必要ですが、実行、維持が難しいのも事実です。
SGLT2阻害薬は血液中の糖(血糖)を尿中に捨てる薬です。1日約70gの糖を強制的に尿に出すことで血糖を下げ太りにくくします。同時に尿量が増え脱水になりやすいので、のみ始めは水分を(1日500mL以上は)多めに摂る必要があります。平均3kgの体重減少が見込める薬とされますが、うまくいかない場合は余分に食べてしまっている可能性が高いです。体重が減って内臓脂肪が減れば全て良くなる、血圧も安定し、脂質・肝機能の異常も改善しやすくなります。
この薬でうまくいく方は多いのですが、中には体調不良になったり合わない方もいます。脱水以外にも低血糖、尿路(陰部)感染症など注意は必要です。減量がどうしてもうまくゆかない方は一度試してみる価値はあると思います。