健康長寿とはただ長生きするのではなく、高齢になることで併存しやすくなるサルコペニア(足腰の筋肉が減る)、フレイル(高齢で心身が老い衰える状態)、認知症等を回避し、生活の質(QOL)を保ったまま長寿を全うすることを指します。

 

メタボ(メタボリック・シンドローム)があると糖尿病、脂質異常症、高血圧を起こしやすく、それらの結果血液の流れが悪くなり血管が詰まりやすくなります。この大元にもあるのが内臓脂肪の蓄積(肥満)と言われています。

 

また、ロコモ(ロコモティブ・シンドローム)とは運動器が障害を起こし移動機能の低下をきたす状態で、要介護になりやすくなります。加齢による筋力低下、骨粗鬆症による骨折、膝痛(変形性膝関節症)、腰痛(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症)等が原因となりますが、肥満も増悪因子です。

 

どちらもカギとなるのは肥満であり、まず肥満の解消が大事です。食事療法と運動療法が大事ですが、特に運動器は廃用症候群と言って使わない状況が続いてしまうと一気に衰えて筋肉も減ってしまいます。日頃から身体を動かすように心がけ(運動習慣)、食事にも気をつける(カルシウムと筋肉を作る蛋白質を十分摂る)ことが大事です。足腰の筋力を保つことで、骨粗鬆症の予防、腰や膝の痛みの予防、改善にも役立ちます。

 

ヒトは肥満とトレーニング不足により、重力に負けながら血管とともに老いてしまうのです。

わたなべ糖内科クリニック